天皇陛下の政治利用問題
先日明らかになった天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会見について、平野官房長官が慣例を無視して、宮内庁に日程を入れさせた件が問題化しています。
陛下と外国からの要人の会見は、1か月前までに申請を受け付けるというルールが存在し、また国の大小や政治的な重要性を問わずに、正式な事前申請によって公平にセッティングされるものです。多忙な陛下のご公務の中で、相手国へのお言葉や事前レクチャーなど周到な準備をし、またガンを患われた陛下の体調管理等もご考慮の上、決定されることです。
それを「日中関係の重要性に鑑み」という鳩山総理の指示の下、平野官房長官が宮内庁の羽毛田長官に強引に会見を設定させたいうことです。また今日、小沢幹事長はこの問題の発端となった羽毛田長官に対して、「辞表を提出した後に言うべきだ」と述べたことが報道されました。
一体これを「権力の暴走」と言わずして何と言うのでしょう。先の敗戦から国民の象徴である天皇陛下は、時の政権によって利用されることがあってはならない存在です。それをいとも簡単に無視しておきながら、それについて多くの疑義が持たれる状況になると、今度は政権党の最大権力者が「やめてから言え」というのでは、この先一体どうなってしまうのか恐怖すら感じます。
週末、メディアを賑わした小沢大訪中団での異様な盛り上がり(私には朝貢外交にしか見えませんでした…)、先の臨時国会での鳩山首相の所信演説後の小沢チルドレン総立ちの拍手喝さい、ブレまくる総理以下の閣僚発言等々、「政権交代」というワンフレーズの熱気の中で、先週書いたように政権と世論の「ハネムーン期間」があることは事実だと思います。「今は自民党的な政治からの転換点だから、少々のことは仕方ない」という話も耳にします。しかし、私の中で“何か”大きな不安がこみ上げてきます。今日は、そんな中で興味深い論文をひとつご紹介します。
【月刊Will 1月号】
「ナチス亡国の道へまっしぐら」 ジャーナリスト:宇田川敬介氏
(※一部抜粋)
一九三三年にナチスは、遅まきながら政党の綱領を発表している。
その前に、ナチスのドレクスラーがヒトラー抜きで連立政権のための合同を画策したことにより、ヒトラーは離党する騒ぎがあった。エッカートがこれを収集し、ヒトラーに全権を預ける形で復党させた。
まさに、小沢が福田首相(当時)と大連立を合意して、党役員会で反対され辞任をにおわせた時の収拾方法と同じだ。結果としてヒトラーも小沢も、ピンチをチャンスに変える形で党の全権を掌握した。
その混乱があったために、綱領の作成はかなり遅れた。
綱領は全部で二五条。初め十条はドイツ民族統一に関することだ。
続く中身は、
・公営化企業の国営化(郵政民営化見直し)
・大企業利益の再分配(労働者権利の増大と雇用政策)
・高齢者保障の大幅な強化(後期高齢者医療見直し)
・健全な中産階級の創出と強化(中小企業対策と亀井モラトリアム)
・国民の需要に応じた農地改革(農家個別保障と減反政策見直し)
・教育のための公的学校整備(高校授業料無料化)
・母子の保護と少年労働の禁止(子供手当)
・ジャーナリズムによる虚言の流布に対する法廷闘争(官邸記者会見の公開見送り)
・中央集権国家の確立(地方分権における二階層支配)
・中央議会および一般組織に対する政治事情の絶対的権威(政治主導)
・国家布告の徹底のための組織の整備(議員連盟の見直しと陳情の一元化)
カッコの中は民主党のマニフェスト、もしくは政権奪取後の行動である。本来であれば、両党の綱領を比較するのが最も良いのであるが、民主党は綱領が存在しないからここでは仕方なく、マニフェストと政策の実行行為を比較する。ナチス綱領後半十五の条文のうち、傭兵部隊や宗教関連項目以外、ほとんどが民主党のそれに酷似している。
これは偶然の一致というよりも、目指すものが同じと考えるか、完全に模倣したと言わざるを得ない。いずれにせよ、行きつく先がナチスと同じではないかと危惧させるものがある。
一部抜粋しましたが、興味のある方は是非一読をお勧めします。