中野まさしのブログ キャッチフレーズ

【マニフェスト一本勝負!-5】民主党の経済政策を問う

 本日2回目の更新は、【マニフェスト一本勝負!】です。

 今回は、昨夜の【政策BANK-5】と民主党政権公約2009の中から、経済政策に関連する公約について対比・検証を加えていきたいと思います。
 
 まず申し上げなければならないことは、民主党には今後の日本の経済を「こんな風に発展させます!」という経済ビジョンがありません。日本経済全体の目標がないのです。過去にもいくつか有名な経済政策のビジョンがありました。主なスローガンで言えば「所得倍増計画」(池田勇人内閣)、「日本列島改造論」(田中角栄内閣)、「聖域なき構造改革。改革なくして成長なし!」(小泉純一郎内閣)などなど、皆さんも一度聞いたことのあるような言葉がたくさんあります。
 
 自民党政権公約2009では、「活力ある日本社会の実現」のために、2010年後半には年率2%の経済成長を実現すると明記してあります。2%というと、1年の間に日本経済が10兆円ほど大きくなるということです。10兆円というと、日本の農業産出額が現在8兆円強ですから、大変大きな額です。そして、今後3年間で40~60兆円の新たな消費を日本経済に作り出し、約200万人の新たな雇用を生み出す新産業の育成を図っていきます。
 
 ところが民主党にはこのようなビジョンが全く無いのです!同党は「国民生活をしっかりと支えることが経済のビジョンだ」などと強弁していますが、国民生活をしっかりと守るべきことは当然です!全体的な経済の方向性があって、それに基づいた各種の国民生活対策や企業への支援策、補助などの個別具体的な政策があるべきで、どちらかが欠けても日本の経済は上手くいきません。
 
 そしてもう1点、海外との貿易自由化に関する問題が挙げられます。民主党はマニフェストの中で、「米国との間で自由貿易協定(FTA)を締結し、貿易・投資の自由化を進める」と書いています。これが大問題なのです。8月5日付けの記事によれば、民主党はコメなど主要作物についてはFTAの対象から除外するようにマニフェストを修正すると決めたそうですが、ブレにブレまくっています!民主党の本音が農産物の自由化も含めたアメリカとのFTA推進にあることは間違いありません。
 
 そもそも、日本とアメリカとの間で、FTAという貿易の自由化条約を結ぶ意義は薄く、政策の優先順位はかなり低いというのが実情なのです。というのも、日本とアメリカとの間での製品の輸出・輸入にかかる関税は、ほとんどの品目でかなり低い水準にあります。特に工業製品は日本製品の国際競争力が十分にあるので、関税を設定して日本産業を守ろうとする意義が昔に比べ、薄くなっているからです。TBS系ドラマ「官僚たちの夏」の時代とは、状況が様変わりしています(笑)。今や、ハリウッドスターがトヨタのプリウスに乗る時代です。
 
 しかし、今も高い関税で日本産業を守っている品目もあります。代表例が農業です。特にお米にいたっては関税率が778%にも及び(アメリカ産のお米が、現地価格の7.78倍になって日本に輸入されるということです)、この関税が無ければ日本のコメ産業は壊滅的な打撃を受けてしまうのです。
 
 FTAというのは、原則として全ての品目にかかる関税を撤廃する約束ですから、もちろんお米を含めた日本農業に与えるダメージは計り知れません。食料安全保障や食料自給率のアップが大きな関心事となっている今、果たして本当にアメリカとFTAを結ぶことが必要なのでしょうか?私は疑問でなりません。
 
 いずれにしても、経済に大きな影響を及ぼすFTAなどの貿易・投資サービスの自由化条約に関しては、結ぶ相手をよく考えながら、優先順位をつけて積極的に対応していかねばならないと思っております。特に中国・ブラジル・インド・ロシアのBRICs諸国やアジアの国々と自由貿易の枠組みが作れないか、今後も研究・交渉を続けていくべきだと思います。
 
 経済といえば自民党。是非このことを皆さんにもご理解いただければと思います。
 
 
 
(参照資料)民主党政権公約2009(一部抜粋)
51.緊密で対等な日米関係を築く
○日本外交の基盤として緊密で対等な日米同盟関係をつくるため、主体的な外交戦略を構築した上で、米国と役割を分担しながら日本の責任を積極的に果たす。
○米国との間で自由貿易協定(FTA)を締結し、貿易・投資の自由化を進める。
○日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。

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