【マニフェスト一本勝負!3】民主党雇用対策の疑問点
今日は、【マニフェスト一本勝負!③】ということで、昨夜アップした自民党の雇用政策と対比して、民主党政権公約2009の中から、雇用対策関連の公約について検証を加えていきたいと思います。
まず、民主党は中小企業の法人税率を現行の18%から11%へと引き下げると掲げています。一見“おいしそうな”政策ですが、これが経済にどれほど大きなプラスになるのかは疑問が残るところです。そもそも今現在、不況の中で中小企業の経営は大変苦しい状況にあり赤字決算の企業も多いのが事実です。法人税というものは、原則として企業が得た営業利益に対して課される税です。つまり、企業が黒字決算の場合にだけ法人税が課される仕組みなのです。赤字の企業に、さらに法人税を課すようなことになれば、より一層の経営体力を奪うことになり、企業の倒産を国家が助長しかねません。したがって、このような厳しい経済情勢の中でたとえ法人税率が引き下げられたとしても、赤字経営で苦しむ中小企業にとっては法人税支払い自体がそもそも発生しないので、何のメリットも生じません。民主党が言うような、中小企業支援にはならないのです。
また、民主党は「次世代の人材育成」「公正な市場環境整備」「中小企業金融の円滑化」などを内容とする「中小企業憲章」を制定するとしています。しかし、これは現在ある「中小企業基本法」と一体何が違うというのでしょうか。憲章を作ったとして、具体的にどんな効果が現れてくるというのでしょうか。「憲章」と銘打つくらいですから「法律」ではないのでしょうけれども、「憲章」と名の付いた法規範は「法律」と似たようなものなのか、行政の策定する「基本計画」程度のものなのか、その点も判然としません。とにかく疑問点だらけです。
同様に、「中小企業いじめ防止法」を制定し、大企業による不当な値引きや押し付け販売、サービスの強要など不公正な取引を禁止すると同党は掲げていますが、これも既に現在ある「下請法」という法律で十分にカバーできています。下請法の所管は公正取引委員会で、大企業が下請け企業などに対し、取引上の優越的な地位を濫用した不公正な取引方法を規制しています。中小企業いじめ防止法は、この仕組みと何が違うというのでしょうか。
他にも、民主党は製造業現場への派遣労働を禁止すると公約に掲げていますが、これは大きな問題であると考えています。そもそも、誰がどのような働き方をするかは、本人自身が決定できるようにするべきです。憲法で保障されている職業選択の自由は、自分の働き方を自分で決定できる決定権も尊重されるべきという趣旨を含んでいます。
自民党の政権公約でも申し上げましたが、日雇い派遣の原則禁止・常用化の促進など、極端に労働者の生活を不安定な地位におき、労働者自身の生活が脅かされかねない形態の働き方は政府が責任を持って規制に当たるべきです。しかし、だからといって派遣労働すべてが悪いというのは筋違いです。製造業派遣についても、本来なら正社員などで仕事先を確保したいが、生活費その他の事情もあって、やむをえず製造業派遣を選ぶという人もいますし、数こそ少ないですが、自ら製造業での常用派遣を望んでいる人もいます。そのような人たちの「生き方」も同時に尊重されなければなりません。もっとも、失業時に備えたセーフティネットの整備には万全を期しておく必要がるのは当然です。セーフティネットをしっかりと整えれば、やみくもに何もかも政府が介入して規制をすること自体が行き過ぎであり、経済の健全な発展を阻害する可能性もあります。
いずれにしても、派遣労働者を含めた非正規雇用のあり方については、その規制について慎重に検討する必要があると考えます。待遇改善や就労支援はすぐにでも行う必要がありますが、非正規雇用という働き方それ自体を規制するのかどうか、腰を落ち着けて議論をする必要があると思います。民主党の公約は、どうも結論ばかりが先行していて、その先の社会に与える影響など、全体的なバランス感覚に欠けているといわざるを得ません。
このようにじっくりと中身を検証すれば、雇用と経済を支え、発展させるのは、私たち自民党だということを、ぜひご理解いただけると思います。